ICANOF第9企画展 『Blinks of Blots and Blanks(略称BBB)展』
ICANOF 9th Media Art Show 2009 “Blinks of Blots and Blanks ”
by photographs and digital images

©TSUYUGUCHI Keiji 「ワッカタウシ」, 2009
いまだ書かれざる未来の余白と、誰の記憶からも忘失された太古の痕跡が、
思いがけなく明滅しあう徴候の現在 ――〈シロとシミのシルメキ〉――
会期:2009年9月18日(金)~9月27日(日) 計10日間(休館日なし・入場無料)/11時~18時 (最終日のみ16時閉館)
会場・共催:八戸市美術館
入場料:無料 (公開講座のみ資料実費あり)
企画・監修:豊島重之(ICANOFキュレーター)
後援:デーリー東北新聞社・東奥日報社 協賛:(KK)カシマ・OSIRIS・八戸グランドホテル・ホテルサンルート八戸・Hi-net・サンフレンド・フォートセンター惣門
主催:市民アートサポートICANOF(代表 米内安芸)
出品作家
写真作品『地名シリーズ』常設展示:露口啓二(写真家・札幌)
映像常設上映:
『gozoCiné:エッフェル塔(黄昏)』 吉増剛造(詩人・東京)
『Cinomatograph (TSUKAI #2)』 倉石信乃(明大准教授・批評)+須山悠里(映像)
油彩造形『孤絶には名がない/顔がない』常設展示:伊藤二子(造形家・八戸)
ダンス公演『BBB 1』出演:大久保一恵(ダンスアーティスト・八戸)
『BBB 2』出演:田島千征(ダンスアーティスト・十和田)
映像インスタレーション:佐藤英和(映像作家・京都出身)ほか
常設展示
露口啓二 写真作品《ミズノチズからオホーツク・シモキタへ/写真の照相=照層の写真》

©TSUYUGUCHI Keiji 「ピパウシ」, 2009

©TSUYUGUCHI Keiji 「ヲコツナイ」, 200
- 露口啓二 TSUYUGUCHI keiji
写真家。札幌在住。
2002年『現代日本写真/Black Out』展で〈8人の写真家〉の一人に選ばれ、パリ・ローマ・東京で巡回展。2004年横浜美術館『ノンセクト・ラディカル展』招待出品。2009年8月『東川フォトフェスタ特別賞・受賞展』。
2009年8月「東川フォトフェスタ特別賞」受賞後、初の展示。しかも初期連作『ミズノチズ』から『地名』『On- 沙流川』はもとより、未発表の新作『オホーツク・シモキタ』連作までも網羅した初の大規模写真展(!)――中国語で写真を照相という。人跡未踏の森の奥の無数の沢や谷地へと分け入っていく300点以上もの写真展示。その写真から照り返してくる照相の、目もくらむような照層。これを見のがす手はない。
吉増剛造 映像作品『gozoCiné:エッフェル塔(黄昏)』 常設上映

©YOSHIMASU Gozo
- 吉増剛造 YOSHIMASU Gozo
詩人。写真家。銅板画家。
『「雪の島」あるいは「エミリーの幽霊」』で芸術選奨文部大臣賞。ほかに高見順賞、歴程賞、現代詩花椿賞、詩歌文学館賞など/ 写真・銅板の個展「水邊(みずべ)の言語オブジェ」(川口現代美術館)ほか写真展多数。2009年『表-紙(omote-gami)』で毎日芸術賞受賞。DVD+Book『キセキ――gozoCiné』発売。
――詩人吉増剛造が近年、挑んでいる映像連作「gozoCiné」を御存知だろうか。その19篇を集成した『キセキ=KI-SE-KI』が今年、日の目をみた。誰もみたことのない映画詩のユメがヒノメを浴びる、それをキセキと呼ばずして何と呼ぼう。ICANOFは『キセキ』のなかの一作「エッフェル塔(黄昏)」への旅から始める。知らぬ人とてない、あのエッフェル塔にどんなユメの時間が、メエルシュトレームの渦巻が秘されているのか。ナビゲーター八角聡仁さんとともに、塔のユメを解き明かす旅に、あなたも船出してはいかがでしょう。
倉石信乃+須山悠里 新作映像 『TSUKAI #2』 常設上映

“TSUKAI #1” 2008©KURAISHI Shino + SUYAMA Yuri
- 倉石信乃 KURAISHI Shino
写真史家・批評家。都内在住。現・明大准教授。
横浜美術館学芸員として「ロバート・フランク展」「中平卓馬展」をはじめ、露口啓二の写真も招待出品された「ノンセクト・ラディカル展」をキュレーション。著書『反写真論』ほか共著多数。
《オツカイに出されたまま、いまだ還らざるミンナのウタ》
――
ねえ、あんた、どこまでオツカイに。つい、そこまで。そこの角まがったアンタんチまで。1868年まで、それとも1945年まで。そこは暗澹たる地、それとも乳と蜜の流れる約束の地。Oh、flying legs! 乳と蜜したたる脚よ飛べ、踏みはずせ、未生の世紀へと――
伊藤二子 新作展示 《孤絶には名がない/顔がない》

©ITO Tsugiko, 2009
- 伊藤二子 ITO Tsugiko
造形家。八戸在住。
1972年より毎年、個展を開催。今年も8月末に八戸市美術館で油彩個展。ICANOF展には2007年『ISTHMUSイスムス展』・2008年『68-72*世界革命*展』に次いで三回目の招待出品。
内と外を隔てることによって「作品」を成立させる「フレームの政治学」。それに対して伊藤さんは、フレームの中にひとつの完結した秩序をつくろうとしているようには見えない。フレームの外側にも広がっている世界がそこに切り取られているのでもない。ある生成が「顔」のような全体へと辿りつくことなく、辛うじて「頭部」として見極められるような〈かたち〉を成している。――八角聡仁(2007年4月、東京銀座での伊藤二子個展オープニングトークより)
特別プログラム
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第31回ICANOF八戸芸術大学=ICANOF第9企画展特別プログラム
- 及川廣信(芸術哲学)ダンスワークショップ
《身体、それは植物層・動物層・人間層の三つの地層からなる全アート領域の花芯である》 -
第32回ICANOF八戸芸術大学=ICANOF第9企画展特別プログラム
- 《大久保一恵のprompt=敏捷なるダンス的書法/田島千征のprompt=耳打ちするダンス的奏法》
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第33回ICANOF八戸芸術大学=ICANOF第9企画展特別プログラム
- 公開プロジェクショントーク
《吉増剛増のエッフェル塔への、めくるめく回流》