「種差/tanesashi」、「オラン/Oran」――そして猫たち / 稲村真実

《矢野静明~種差 enclave 展》 2014年、八戸市美術館3F

稲村 真実 INAMURA Mami (フランス文学、エレーヌ・シクスー研究、東京在住) ►「種差シリーズ」——と名付けられたICANOF主催の企画展とギャラリートークに私が参加したのは、昨年(2014) 8月の矢野静明展からである。初めて訪れた八戸は […]

《不穏な写真の不穏な問い》 「笹岡啓子――種差ninoshima 展」オープンに寄せて/根本忍

根本忍 NEMOTO Shinobu(作曲家・音楽家・都内在住) ►(1)  ジャン=ピエール・デュピュイが「人間の悪意やその愚かしさの結果というよりも、むしろ思慮の欠如の結果」と指摘し、プリーモ・レーヴィが […]

《シラオイ 1931年》 ~ それはなぜ豊島弘尚追悼公演に呼び寄せられたのか?/豊島重之

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縦サイズの黒枠の一点。遺影にしては少し妙である。 黒枠に縁どられた日なたの光景は、左手に着慣れない軍服で初々しく直立する斜め後ろ向きのアイヌ男子と、[…]

《KW気分に誘われて》/豊島重之

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思いがけないことに、八戸市美術館全階にて、ただいま開催中のICANOF第11回企画展「北島敬三———種差 scenery」は、ひそかな都市伝説の一片を呼び込んでいるようだ。

《快挙、それとも暴挙、世界的奏者によるコンサートが市美で!》

> 「なんで岩手なの?」——里に悪さを働いた羅刹鬼(らせつき)が「三ツ石様」に懲らしめられ、二度と悪さをしないというシルシとして、「三ツ石様」の岩につけた降参の手形から。[…]

《マイマイガ、かくも美しき》3・4・5/豊島重之

わが種差海岸には、多くの天敵がいる。天敵が多ければ多いほど、そのダメージが激しければ激しいほど、種差は、毒気をはらんだ美しい「創=キズ」をパックリ開けて、訪れた人々を迎えうつ。[…]

《ようこそ、未生の世紀タネサシ へ》1・2/豊島重之

いよいよ 8月31日(土)から八戸市美術館で開催される本展のみどころをいくつか紹介したい。気鋭の美術評論家・写真史家といえば、国内広しといえどもこの人しかいないという、倉石信乃教授による[…]

寄稿・《自然史としての忌部(いんべ)山》/露口啓二

徳島県を東西に流れる吉野川、その中流域右岸に位置する吉野川市西方の一角にある山崎という地、この地の忌部山(いんべやま)と称される標高250メートルほどの山腹に、忌部山古墳群と命名された[…]

露口啓二《自然史としての忌部山》に寄せて/豊島重之

今年2011年1月、杉並区立杉並芸術会館「座・高円寺 1」で、モレキュラーシアター演劇公演《のりしろ nori-shiro 》が2日間=2ステージとも盛況を呈して、図書新聞には、ジジェクやバディウの[…]

ICANOF展評『飢餓の木 2010』/矢野静明

詩人黒田喜夫の名前、そして「飢餓」という反時代的な言葉の求心力によって、そこに展示された作品は結びつき、そしてそれぞれの作品に内在する力によって遠心力を働かせ、どこまでも交わること[…]