ICANOF連動企画/ 青森県立美術館「小島一郎 北を撮る」展の《ICANOFによる黙示録的最終章》

©KOJIMA Ichiro
青森県立美術館「小島一郎展」オープニングトークに北海道の写真家露口啓二氏が参席する。ICANOF展でおなじみの写真家北島敬三氏と映像作家小原真史氏とともに。
どうみても対極的な小島の写真と露口の写真。一体どこに邂逅/海光が射してくるのか。
北の青森からそのまた北に赴く〈もがくような眼差し〉と、札幌から青森の異域に差し向けられた〈不可避の眼差し〉がクロスする一瞬を見逃すのか、きみは!
ICANOFによる同展特別展示『小島一郎の北海道』
―――北海道とは「北の海道」なのか「北海の道」なのか、どっちなのか。
ひょっとしたら「ホッ〈蝦夷=カイ〉ドウ」ではなかっただろうか。
津軽弁や下北弁さながら「カイ」が重母音なら「ケ」に限りなく漸近する。
「三筆や三蹟」に倣って、写真の「3K」を、六ヶ所開拓写真の川村勇に、白老観光写真に徹した青森生れの木下清蔵に、そして津軽・下北・北海道の写真に夭逝を賭けた小島一郎に振り当てるべきか。あるいは田本研造に。
もし「3K」が「桁ちがいの稀少性/奇跡的な結像力/険しくもキワどい決然たる剣ケ峰」、即ち北島・小原・啓二氏の別称だとしたら!
《小島一郎 -北を撮る- KOJIMA Ichiro: A Retrospective》
2009年(平成21年)1月10日(土)~3月8日(日) [公開日55日]
開館時間: 午前9時30分~午後5時 (入館は午後4時半まで)
(休館日: 1月12日を除く第2,4月曜日)
会場: 青森県立美術館 地下2階企画展示室
主催: 小島一郎展実行委員会 [青森県立美術館、日本放送協会青森放送局]
助成: 財団法人ポーラ美術振興財団、財団法人野村国際文化財団
展覧会概要
1924 (大正13)年、青森市に生まれた小島一郎は、昭和30年代の約十年間、主に郷土、青森の風景や人々を撮り続けた写真家です。吹雪の津軽野や下北の漁村に生きる人々など、土着的な題材を、執拗な覆い焼きや複写の技法を駆使して力強く写し出した写真の数々は、1964(昭和39)年に39歳の若さで命を落としてからも、たびたび再評価の対象とされてきました。
青森県立美術館は平成17年にオリジナルプリントをはじめ、アルバムやフィルムなど約3,000点におよぶ、小島一郎の写真を遺族から寄託されました。それらの写真と周辺資料の調査から浮かび上がるのは、郷里の地とどこまでも真摯に向きあおうとした写真家の姿であり、また、近代化がもたらす多くの矛盾を引き受けざるをえなかった青森という場所の姿でもありました。
小島一郎が生きた時代と場所をリアルに立ち上げるさまざまな資料とあわせて、写真家の生涯の仕事を網羅する多数のオリジナルプリントを展示するこの展覧会は、北を生き、撮ることの意味と、写真というメディアのもつ可能性を探るものです。
出展作品 小島一郎作品・資料:プリント、写真パネル、書簡等 約200点